鍔鳴浪人
 虎狼の巻 荒井良平監督作品 1939日活京都

 阪東妻三郎の幕末もの、貴重なロシア帰還フィルム。
明るくなったり暗くなったり雨ざあざあの映りで音声聞き取りにくく、しかしものの五分ほどでお話に引き込まれてゆく。

 老中にとって都合の悪い異国との約定書をめぐり、初手から暗殺の銃声響く幕末の租界。阪妻演じる月太郎は、謎の「ふぉとぐらふ」を入手したことから事件の渦中に。そして唐突に親友の妹を「娶り」、因果を含めて奥医師・六庵の催す「娘の三回忌の宴」に送り込む。一服盛られちゃった千鶴がもうちょっとで露人・シェリコフの毒牙にかかるという時、怪しの中国人とこれまた異様に怪しいクルス侍が現れ、露人を縛り上げ約定書を出せと迫る。二度ほどムチをかまされた露人、あっさりと密書のありかを吐くがそれは奥医師の杖の中、聞くが早いか杖とって走り出す千鶴、ここから大騒ぎどたばたのチャンバラ→杖を手にした月太郎が追い詰められたところで中ほど。


ロケ地

松本酒造博打の借金を返せず船で連れ去られる浅吉、伏見・濠川か。奥医師宅の宴に招かれてゆく千鶴の駕籠がゆく道、松本酒造酒蔵脇堤道。
一角と月太郎が踵を返し六庵宅へ向かう堀端、宇治川派流か(その前の帰途の野道は東高瀬川堤か)
なにしろ古いので確実なのは松本酒造の酒蔵のみ。

*阪妻の立ち回りはやはり見応えあり。くっと力を溜める足捌き、ぴょんと跳んでみせる所作、着流しの裾をつまむ手つきも見事。*日本の女目当てで六庵宅に来る露人、千鶴やおもん姐さんを見て「オゥ、ビューティフル」などとやに下がるヒヒ爺、よく見ると志村喬…。


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