白馬城の花嫁

沢島忠監督作品  1961.5.17東映


 夢見がちな少女の前に突然現れた、キンキラ衣装を着け家来を従えた若侍。話に聞いていた嫁探しのお殿様と思い込んだ娘は、何の疑問も抱かず「殿様小僧」なる盗っ人の手伝いをして江戸へ。賊どもはたちまち娘を見捨ててどこかへ行ってしまうが、親切な人々の手助で居所を得た娘は、暫時江戸で過ごしたのち故郷へ帰還。そこへは、御金蔵破りの大泥棒や、彼に濡れ衣を着せられた殿様小僧に加え、江戸の目明しまで殺到し、大捕物が繰り広げられる。

彦根城天秤櫓

ロケ地

  • 白馬城は書割、手前の水面は川を合成か。窓から天守が望まれるお君の家は梅林セットの中に。
  • 殿様小僧たちを追う捕り方が走る水辺、大覚寺大沢池畔。対岸に鋏箱を担いだお君がいて、人数を眺める。千両箱入りの鋏箱が隠してあった鎮守はセット。
  • 役人に追われる源太を助ける霧太郎、琵琶湖畔の菜畑。役人を叩き込む川はクリーク、菜花越し遠景に三上山と思しき山、湖東か。源太やお君のことをボヤきつつゆく三人は並木沿い、行く手に鋏箱引きずってきたお君がいて呼ばわるのは河口の川堤。このあとの野営地はセット撮り。
  • 三人がお君を置き去りにする浅草寺、清凉寺境内。三人が岡っ引の太吉に誰何されるのは本堂脇。
  • 殿様とはぐれ悄然と夜道をゆくお君に声をかける屋台親爺の富蔵、夜の城下(江戸)はセットで隅櫓の書割が見える「堀端」。
  • お君の妄想で出る、殿様と睦む梅林、不明(起伏地、遠景に竹林)
  • 江戸城の御金蔵を破って出てくる富蔵一味のくだり、二条城。導入に本丸櫓門を北から見た図を入れ、石垣を縄梯子で下りてくる一味、お濠から這い上がってくる図は外濠で東南隅櫓が見えている。
  • 捕り方がどっと繰り出してくる南町奉行所、仁和寺本坊表門。壁には海鼠壁パネルあしらい。
  • 白馬の里での捕物のあと、太吉の示唆で殿様の待つ城へ走ってゆくお君、大覚寺大沢池畔〜彦根城石垣際から天秤櫓。中が荒れ果てた天守はセット撮り。

 白馬の王子様を待つお君は美空ひばり、孤児設定。殿様小僧の霧太郎は鶴田浩二、手下の二人は田中春男と星十郎。チンピラの源太は花房錦一、彼の親分の富蔵は山形勲で、霧太郎の獲物を横取りさせたり、讒言したりと狡猾に立ち回る。富蔵の紹介でお君に就職を斡旋した仲町の太吉は高田浩吉。白馬の里でお君に殿様の話を聞かせた爺さまは水野浩、連れ合いの婆さまは赤木春恵。悪代官は阿部九州男、年貢を見てのニタニタ笑いを注意する配下は中村時之介。


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