暴れん坊将軍
IV
40〜59話

1991-1992テレビ朝日/東映

キャスト 徳川吉宗/松平健 おさい/浅茅陽子 紋次郎/渡辺篤史 お葉/伊藤つかさ 才三/五代高之 茜/入江まゆ子 おちよ/田中綾子 大岡忠相/横内正 常吉/白井滋郎 伊助/斉藤弘勝 六太/原亮介 才次/真砂皓太 源八/大石源吾 おはる/山本真由美 田之倉孫兵衛/船越英二 辰五郎/北島三郎


第40話「戦慄!狙われた養生所」 1992 20

 美濃・岩田藩のお家騒動、病中の殿をいいことに江戸家老が美濃紙で汚職。国元からは密偵が放たれるが家老の手先に斬られ重傷、養生所に運び込まれる。これを診る若き医師は岩田藩の出、患者を殺せと命じられ苦悩のすえ断り、始末されかかるところへ新さん登場。
医師とお葉の恋、家老の手下から印籠を掏って騒動の端緒をつくる元掏摸、医師の兄の道ならぬ恋の果ての公金横領など、エピソードてんこ盛り。

ロケ地

  • うえだ峻の「掏摸」が失敗し斬られる高輪大木戸、琵琶湖・舞子浜松林と浜(茶店と柵をあしらい。ラスト、お葉ちゃんと正吾の別れもここ)
  • 忠相に岩田藩密偵襲撃の報告を受ける上様、二条城清流園
  • 医師の兄に追っ手かかる大川(千住大橋近く)、亀岡の桂川。

*家老の手下の根本陣馬(田中浩)、正吾に患者密殺方法を手ずから示唆、和紙に徳利の酒をあけ濡れた紙を自分の顔に被せてみせる…あぅぐぐとか呻き声聞こえてるんですけど…これで死んだらギャグ。


第41話「天下一の夢を語る男」 1992 20

 狩野探幽の軸を偽造して売りつける一団あり、描かせていた絵師を殺すなどの血腥い真似もしてのける。次の描き手として目をつけられた市井の画家・村井秀太郎は実は狩野派の現当主・秀徳が昔侍女に産ませた生き別れの息子だったりする。

ロケ地

  • 芝の縁日で似顔描く秀太郎(恋人の働く茶店がある)真如堂門・茶所・塔・本堂・鐘楼。
  • 絵師・夕斎の死体が上がる大川端、桂川松尾橋上手汀。
  • 秀太郎を脅すため拉致された娘が始末されかかる、大覚寺大沢池堤護摩堂前。
  • 一味の僧正が住持する上野・明光院、相国寺大光明寺(門・南塀・湯屋前)
  • 田之倉邸、相国寺林光院(門)
  • ラスト、田之倉が秀太郎に甲冑姿で似姿を描かせる、仁和寺金堂前。

*一味の黒幕・一色左兵衛介に菅貫、金ぴか衣装にフランス人形で窓にはステンドグラス、ワイングラス片手に女を侍らせカウチにふんぞり返る。ちょっと狂乱の殿様っぽい。断罪されたあと「もはやこれまで上様とて死ねばただの人」と言い放ち、すたすたと背を向けて座敷に上がる姿はやはり独特。


第42話「おやこ喧嘩の大手柄!」 1992 20

 忠相の評判と、彼に対する上様の信頼が腹立たしい北町奉行、自作自演で手柄を立てて出世を目論み浪人を雇って押し込み強盗を働かせる。最後はこれを斬って下手人として扱う算段は一人の岡っ引の息子によって阻まれることとなる。
その息子・勘太は遊び人だが、引退間近の父に手柄立てさせようと事件を調べる。しかしドジ岡っ引の父は、事件現場に残る息子の足跡を早合点し犯人と思い込む始末。この行き違いのどだばた喜劇も最後は泣かせる人情劇に。

ロケ地

  • 茶店の娘とデートの勘太、大覚寺天神島
  • 息子を犯人と思い込み新さんに愚痴をたれるドジ勘、真如堂鐘楼
  • 勘太の隠れ家周辺、大沢池堤・放生池堤・護摩堂脇の石仏

*岡っ引の勘助、通称ドジ勘に「猫殿」沼田爆。


第43話「男一匹!め組の紋次郎が燃えた!!」 1992 20

 一年前、目撃者の棟梁を説き伏せ凶賊・かまいたちの儀助を告発させた紋次郎は、約束通り意趣返しから棟梁を守るため暇を貰い張り続ける。五千両もの金を盗みながらなぜか遠島で済んだ儀助は一年後赦免となり、きっちり棟梁のもとへお礼参りに。賊の裏にはあがりを掠める寺社奉行がいた。

ロケ地

  • 儀助の御赦免船が着く浜、大覚寺天神島付近の大沢池畔、柵などをあしらう。
  • 儀助が手下を使い同心をまく、中ノ島橋上。
  • お城の庭で忠相に棟梁の茂平を守護するよう命じる上様、二条城清流園
  • 儀助一味のアジトの荒れ寺、大覚寺聖天堂(前に崩れ土塀や建物の壁を置いてある。町方が追って来るシーンでは五社明神裏手の塀も映り込む。金箱は堂前にあしらわれた墓地に埋めてあり、掘り出したところで寺社奉行一味が出て賊を皆殺し)
  • ラスト、紋次郎見舞った帰りの新さんがゆく水辺、嵐山公園中州北岸。

*棟梁に左右田一平、儀助に大木正司。
*男を貫く紋次郎、しかし棟梁の娘と祝言の夢なんか見ていて結局しまらない結果に。


第44話「上様のとんだ剣客商売!」 1992 

 御前試合に勝って老中職ゲットを狙う相模・大野藩主、藩士の中から腕利きを選び鍛錬させる。その中に小身の若侍あり、訪ねてきた恋人も眼中に無く出世ばかりを目指す。新さんは市中で侍同士の喧嘩を鮮やかに止め、大野藩に御前試合用の剣客として目をつけられる。誘いを一旦は断る新さんだが、大野藩の内情にキナ臭いものを感じ「仕官」しちゃったりする。

ロケ地

  • 大野藩武勇館道場、相国寺大光明寺(門、庭、木戸)
  • 新さんが仕官を進められる料亭、中山邸通用門
  • 若侍にすげなくされた娘が入水しようとするのを止める新さん、中ノ島橋下手中州護岸
  • 材木商殺しの件で庭番の報告受ける新さん、今宮神社東門内石橋上。
  • 祠で恋人の無事を祈る娘、今宮神社稲荷社
  • すっかり騙された若侍が加納屋を殺しに「出る」、大覚寺五社明神
  • 事後、庭で剣を振る上様に田之倉がからかわれる、二条城清流園

*藩主は小沢象、家老は浜田晃、指南役は工藤堅太朗、悪徳商人は江幡高志とコテコテ。
*いたずら小僧の顔で上様イチビリまくり、大野藩に仕官しにゆく際は紋次郎に裃着せ兄に仕立てて支度金ふっかけるという悪ふざけ。何も知らず大野藩邸に招かれたじいと立ち合いわざと負けてみせる際の「自分で木刀ヘディング」もなかなか。極めつけは商人暗殺実行犯の指南役が抵抗され引っ掛かれた傷の件で「殺された商人は破傷風」の大騙り。


第45話「春一番!天狗の子がやってきた」 1992 20

 大奥の中揩役者遊びの件で脅し、江戸港通行鑑札を上様に上申させる回船問屋、若年寄が結託。このワルどもが役者を惨殺する現場を仕事に来ていて目撃の植木職人、役者が隠した中揩フ恋文をゲット、恨みを晴らしてやるべく南町に訴えようとするが手回り殺されてしまう。
残された植木職人の息子と弟分にも魔手伸び、これにめ組が関わり、おせいは我が子とも思い庇う。文を得るため子をさらう一味、おせいが乗り込み危機一髪に新さん。

ロケ地

  • お参りの帰り子供を預けられてしまうおさい、上御霊神社本殿、境内(人さらいから逃げる際にも使用)
  • 植木職の松造の死体上がる汀、大覚寺大沢池(検分は水門脇、駆けつけるめ組の衆は池畔北側)
  • これを見に来た弟分が編笠の武士に追われる、有栖川畔〜五社明神。新さんに事情を話す弟分の回想、回船問屋・中屋の根岸寮(不明、芝地の茶亭)から逃げた松造たちが隠れる、木戸下の大沢池溢水口河床(橋の上を追っ手が走って行く)
  • 才三に回船問屋調査を命じる新さん、上賀茂神社ならの小川畔。
  • 江戸城庭、二条城清流園の池の切石橋上。
  • 一味に追われた梅吉が登る木、大覚寺大沢池北西畔の楠
  • 人質交換の天神の森、上賀茂神社渉渓園スダジイ前。

第46話「恋山彦 幻の花嫁!」 1992 20

 下野・大滝藩のお家騒動、特産の絹を横流しし私腹を肥やす江戸家老、これを糺さんとした脱藩藩士は返り討ちに遭い、腰を上げかけた国家老も奸計に落ち殺されてしまう。国家老は碁仇のお抱え医師が私怨で毒殺とされ、医師は手討、その娘も追われ斬られて崖落ち。助かるものの記憶喪失となるが、皆の手助けで恋人を思い出す。

ロケ地

  • 旧知の神主に旅立ちの挨拶をする綾乃、上賀茂神社奈良社鳥居付近。恋占いをする綾乃、ならの小川神事橋
  • 下野へ旅行く綾乃、広沢池西岸(農地からの撮り)
  • 下野・大滝藩城、丸岡城天守。
  • 綾乃が追い詰められ落ちる国境の小峰峠、保津峡落合落下岩(崖道も使用)
  • お城の庭で白菊を眺める上様、二条城清流園
  • 綾乃の記憶を戻すべく「恋占いの再現」、上賀茂神社ならの小川神事橋と水場

*綾乃の記憶が戻るシーンで上様の顔が同心にモーフィング…顔の幅がずいぶん違うような。


第47話「血涙!愛しき忠義」 1992 

 仇持ち主従の哀話、相手は二刀流の達人のうえ大身旗本となっていて藩は助けてくれず。体のよくない若者は一旦臆すも健気に斬りかかるが返り討ち、彼を弟のように思い仕えてきた中間は主の脇差を手に仇の屋敷に殴りこみ、凄絶な死を遂げる。

ロケ地

  • 長岡、市松と女房・おふみが知り合った茶店、上賀茂神社神事橋たもとにセット。
  • お城の庭に二条城清流園
  • 長井邸、不明。
  • 仇の武芸者が旗本の長井であることを確認する柿岡のくだり、大覚寺心経宝塔大沢池畔。
  • 長井の凶行を目撃したおふみが長井の手下に斬られる、五社明神
  • 長井に斬りかかる柿岡、妙心寺玉鳳院前。

*仇の武芸者→寄合旗本は亀石征一郎、無視された腹いせに闇討ちを仕掛ける乱暴な武芸者→裏で浪人を手下に畜生ばたらきをしてのける旗本で、徹頭徹尾狂乱系の大ワル。市松を殺して上様をかんかんに怒らせマジ斬りされる。市松に丹波義隆。長井とともに凶行をはたらき顔を見られてしまう浪人に小峰隆司、出回った人相書きが笑うほどそっくり。仲間にはヌマショーと呼ばれている沼田昌之介。


スペシャル「隠された壱千万両 家康の埋蔵金を追え!」 1992 

 殷賑を極める尾張城下、片やお江戸は不景気で吉原も閑古鳥。無理して金をばらまく宗春だが内実は苦しく、神君の隠し金をゲットしようと暗躍。もちろんこの企みは上様に阻止されてしまうが、頓挫に至るプロセスに、宝探しに夢中で身上を潰し家族を不幸にする名主、宗春直属のくノ一の悲哀等のエピソードがからむ。

ロケ地

  • 江戸城イメージ、姫路城天守
  • じいが神君の残した一千万両の噂を話す城内、姫路城るの門三国濠堀端。
  • じいが催事に使うからと黄金像提出を頼みに入る尾張藩上屋敷、西本願寺大玄関門
  • 身売りした妹を求め尾張に向かう与平がゆく東海道(小田原手前)桂川羽束師堤
  • 宗春の動き等について報告を受ける弓のお稽古上様、姫路城西の丸(幔幕あしらい)
  • 尾張の廓で男衆に殴られていた与平を助け出した桔梗が話を聞く川辺、保津峡落合河口
  • 尾張の廓の惣名主で秋葉衆頭目の屋敷、中山邸通用門
  • 紀伊家の黄金像も江戸に着いたとじいに報告する忠相、姫路城にの門
  • 紀州藩主と水戸藩主が呼ばれて入る尾張上屋敷、東本願寺内事門。駕籠を降りる水戸藩主の背後に見えるのは西本願寺唐門
  • 日光長田村、吾平が戻ってきた黄金像を隠す岩場、天神川支谷・若布谷
  • 長田村へやって来た新さんとめ組の衆が村人に忌避される田んぼ、広沢池西岸際の道〜田畔(長田村の道標あしらい)
  • 秋葉衆の山伏に黄金像のありかを迫られ連行される吾平、天神川大堰堤上の砂河原(見下ろし)湖南アルプスのガレ場。
  • 吾平の娘・おみよを連れて逃げる桔梗、鳥居本か(竹林の中の大岩)
  • 新さんに諭された吾平が黄金像を持ち出してくるところへ桔梗が出て娘が日光奉行の手に落ちたと告げる野道、広沢池北西岸(水無)
  • 事後、火中に投じた神君の書付は本物だったと話す上様、姫路城西の丸(野点)

*宗春直属の忍び・桔梗に小林幸子、鳥追い姿のほか花魁の桔梗太夫も。宝探しに夢中の長田村名主に長門勇、倅の与平に三ツ木清隆、日光奉行に田口計、秋葉衆元締に遠藤太津朗。福ちゃんチラリは桔梗太夫にからむ尾張藩勘定方の野暮天侍。
*黄金像は御三家と将軍にそれぞれ伝わる神君を象った金無垢の仏で計四体、中に地図が入ってて四つ合わせると長田村が浮かぶという趣向。「五体目」は長田村から掘り出されたもので、中に神君の書付。


第48話「剣鬼が走る!江戸の闇」 1992 20

 縄張り争いでいがみ合う口入屋、丁子屋と千成屋。双方とも外様の雄藩をバックにしたい放題、抗争は激化する。お話は、丁子屋側の仕組んだ罠にはまり千成屋一味を斬りまくる浪人が主体、ほぼ殲滅した時点で毒を盛られてしまう気の毒な役回り。吉原にいる娘は父の死を「感じ」自害、新さんに宛てられた感謝の文を読んだ上様は、風花散る町を復讐のため丁子屋へ向かう(お供に朝右衛門つき)

ロケ地

  • 冒頭市中で抗争の丁子屋と千成屋の若い衆、大覚寺有栖川御殿川。川から上がって縁日でも抗争は心経宝塔前。
  • 千成屋を襲う月形を諭す朝右衛門、妙心寺涅槃堂前路地

*西国浪人・月形呂久平がいい味、苦界にいる娘を身請けするため道場破りを生業とし、今回気の毒な娘さんの作り話にころっと騙されてしまう。大量のヤクザを斬りまくる殺陣が見事。キャストは沢竜二。彼を騙す丁子屋の女将は一柳みる、この毒婦を成敗する役回りに山田朝右衛門を配してある。


第49話「みちのく純愛行進曲!20

 南部から江戸に嫁コを探しに来た炭焼きの平吉は縁日の雑踏でいきなり女スリに遭うが、その女を「めんこい」と惚れ込んでしまい、周囲が止めるのも聞かずまとわりつく。女スリ・お甲には情夫がおり、これがとんでもない悪党・夜鴉の伝兵衛。こいつが火盗改と組んで凶行を繰り返す。そのうち、怪しまれぬため人身御供を立てようと画策の一味は平吉に目をつけ、お甲に手管を使わせハメる。お甲との約束と火盗改の責め問いにも頑として口を割らぬ平吉の態度を新さんに聞かされた女心はほだされ、火盗改に自訴して出るお甲だがそこは一味の巣。平吉と二人して始末されかかるところへ正義の扇が飛んでくる。

ロケ地

  • 平吉がお甲と出会う縁日、仁和寺(塔前、参道、中門)
  • お甲に呼び出され足を洗う話を聞かされる平吉、大覚寺放生池堤・護摩堂
  • お甲が伝兵衛を難詰する池端、梅宮大社神苑。
  • 伝兵衛たちの動向について才三の報告を受ける上様、桂川畔か。
  • 事後、お甲を連れ故郷に帰る平吉、嵐山自転車道
  • お城の庭で今回の経緯を語る上様と田之倉のじい、二条城清流園

*平吉を一目で夢中にさせる「めんこい女」は一色彩子、平吉は岡野進一郎。


第50話「非情の掟!激突、父と子」 1992 20

 御三家の要人が次々襲われ横死、「全国に」吉宗が御三家を取り潰そうとして庭番を派遣しているのだという噂が立つ。暴将では上様に対する陰謀は尾張と相場が決まっているが、今回宗春くんはなんにも知らなくて尾張の家老。富山藩江戸家老と結託していて、全国に噂を広めたのは富山の薬売りネットワークという設定。ふつうの薬売りと別に組織された忍者みたいな地下組織で、この一味の一人が尾張のお土居下衆の息子だったことで悲劇が起きる。
父はかつて掟に従い泣く泣く妻を斬り、赤子は妻の最後の頼みで難を免れたがそのまま生き別れ、憎悪と後悔の二十年を過ごした父子が和解したのは父の死の間際だった。

ロケ地

  • 要人暗殺の一シーン、大覚寺有栖川畔。
  • 尾張藩上屋敷、妙心寺(玉鳳院を放生池越しに見たショット/駕籠行列のシーンに東海庵付近)
  • 尾張の駕籠を付け狙いお土居下衆に囲まれる神明組の弥吉、仁和寺塀九所明神(塀に手裏剣刺さるシーンあり)
  • 訪ねてきたお里と話す弥吉、仁和寺塔前。
  • 事態について図る上様トリオ、二条城清流園池畔。
  • ラスト逍遥の堀端は二条城内濠松並木下。

*山道や葦原、竹藪など不明個所多し。
*ラス立ち福ちゃん入り、尾張か富山の侍。


第51話「鳩笛慕情!姫君の供は将軍さま」 1992 

 新さんが釣りに出た先で拾った娘は公家の西小路桜子、津軽藩正室の姉を案じて出府したもの。お転婆の桜子に振り回される新さん、津軽藩の後嗣を巡る騒動に介入。

ロケ地

  • 釣りの新さんが桜子を刺客から守る、広沢池北西畔。
  • 桜子の叔母の尼僧が住持する東光院、梅宮大社神苑
  • 桜子の噂でくしゃみの上様、城のお庭は二条城清流園
  • 桜子を江戸見物させる芝の八幡さまの縁日、真如堂(参道坂・茶所・本堂・水場)
  • 津軽藩主逝去を知らせる早馬が走る、木津堤
  • 桜子と遠乗りの新さん、木津河原か。

*御台候補と京都所司代に問合せのじい、しかし桜子には婚約者・八条宮。そして上様はなんにも考えてなくて独身まっしぐら。
*桜子にせがまれ入ったお化け屋敷、小船秋夫に注目。


第52話「誇り高き逃亡者!」 1992 20

 竹馬の友にして娘の舅である勘定吟味役を斬って脱藩し追われる老武士、離縁される娘、仇討ちを迫られる婿。三者の苦悩が描かれ、娘が城代家老に拉致されるに及び城代の公金横領は明らかとなる。

ロケ地

  • 佐倉藩上屋敷、大覚寺大門
  • 娘に刃傷の原因聞かれ酒のうえでの喧嘩と繕う父、金戒光明寺三門
  • 城代家老が佐倉より出府の街道筋、山室か(川堤上・堤外地に竹林。ほか二回使用)
  • 佐倉藩邸付近で城代の駕籠に斬り込む伊右衛門、黒谷墓地裏路地真如堂本堂裏手。
  • 志保が額づく神社、今宮神社稲荷社(城代の手先に拉致されるのは合祀摂社前)
  • 江戸城庭、二条城清流園

*苦悩の父に新克利、立ち回りも多し。*上様、ラス立ちの際最初にかかってきたのを殴り倒し、倒れた背中をぎゅっと踏んで刀を抜きポーズ決める。なんか笑える。


第53話「恋いちど!にごりえの女20

 深川の酒肆・極楽亭の酌婦・お幸は何人もの男を破滅させたことから「白い鬼」と異名をとる女、しかし幼馴染の半七が自分に入れあげ身代を潰したことに心を痛めていた。お幸の隠された優しさを知った新さんは力になるべく立ち回るが、ますます入れあげる半七は贋金作りに足を踏み入れてしまう。工房から小判をかっぱらい極楽亭に現れる半七、しかし追っ手かかり、男を庇ったお幸は深手負い落命する。見届けた上様は贋金ばら撒き出世目論む旗本屋敷へ乗り込み成敗。

ロケ地

  • 半七の息子に玩具を買い与えるお幸、および極楽亭で同僚と大喧嘩の挙句銭の亡者と言われ傷ついたお幸が泣きに来る神社、わら天神(参道、水場、六勝大神、本殿前)
  • 半七との思い出の回想シーンに大覚寺天神島(祠前で鞠遊び)御殿川べりの塀(玉蜀黍を食べる)
  • お幸の墓、黒谷墓地
  • 徳田新之助が酌婦の永代供養を頼んだ件で騒ぐ田之倉のじい、芝地の茶亭、不明。

*半七に見せつけるため新さんにしなだれかかるお幸、新さん「人が見ている」とか言ってどぎまぎ。この照れが無くなってオヤジくさくなる分岐点はどこらへんなんだろう…。


第54話「吉宗変化!お狩場の鬼退治」 1992

 下総のお狩場を不当に拡張し農民を追い出し、息のかかった米問屋に耕作させノータックスの米で大儲けを企む関東代官・笹山。こいつのバックには若年寄がいて茶道狂い。これを利用して一芝居打ち懲らしめるという逃散農民の伝六の提案を受け「変装して」入る新さん、白髪の鬘かぶって眉も髭も白い茶頭の宗匠に化ける。笹山らが農民たちを追いやった荒地に関東一の名水が出るという話を作り誘い込み、お墨付きを渡す段で署名に「吉宗」と書き、変装を解いて「余の顔見忘れたか」とやる。ラス立ちは袴までは間に合わず、着流しスタイルで。

ロケ地

  • 武蔵屋でしくじり簀巻きにされ大川に放り込まれる寸前の伝六を救う新さん、大覚寺大沢池畔
  • 伝六の娘が金魚を放すのにつきあう新さん、上賀茂神社ならの小川神事橋たもとの水場。
  • 赤根沢の「名水の井戸」、酵素の木のそば。

*変装した上様が笹山に茶について薀蓄たれるうしろでくすくす笑う庭番二人がおかしい。ころっと騙される悪代官は中田博久。


第55話「炎上!銃口に立つ大岡越前!」 1992 

 伝馬町の牢で赤猫、忠相を恨んでいる囚人・佐七もお解き放ちとなる。しかし火事は付け火で背後に忠相の後釜を狙う旗本がおり、南町与力を抱き込んで佐七を使嗾し忠相殺害を謀る。佐七の恨みは兄が立てこもり事件を起こした際射殺されたのを、命を助けると言った忠相の違約と思い詰めてのもの。佐七夫婦を哀れと動く新さん、土壇場で佐七の心を解き、その足で黒幕を成敗にゆく。

ロケ地

  • 佐七の兄が幼女を人質に立てこもる船小屋、木津川流れ橋下にセット。
  • 解き放ち後の佐七の動向を新さんに報告の才三、梅宮大社神苑汀に茶店セット。
  • 黒幕の旗本・丸山主膳邸、金戒光明寺永運院
  • 丸山が南町与力に手を組む話を持ちかける回想シーン、大覚寺天神島
  • 佐七が女房と連絡をとりあう神社、梅宮大社(楼門〜本殿、境内。塀際などの珍しいアングルもある)
  • 佐七が丸山邸へ行く道、金戒光明寺永運院下坂
  • 遠島になる佐七が送られる浜、罧原堤下河原に柵セット。

*佐七の女房に東啓子、苛められて、亭主を案じて、感極まってうわぁんと泣く顔が超一級。佐七は大橋吾郎、善人の被害者面がこれまた絶品。そのほかキャストが妙に豪華、黒幕の殿様は御木本伸介、本筋には関係ない、東啓子を苛めるだけに出てきた金貸しのヒヒ爺に伊吹聡太朗。牢に放火して口封じに消される男に峰蘭太郎、あと小峰さんが同心や長屋の老爺やラス立ちとせわしなくご登場。
*伊吹聡太朗が東啓子に迫るくだり、才三が助けに入り妙にカッコつけてておかしい。


第56話「大奥の殺人者!」 1992 20

 大奥総支配の滝乃と御広敷用人・岸和田図書が結託し、大奥に上がった富商の娘を奸計に陥れざっくざっくと私腹を肥やす。これに気付いた桐山家の麻紀が消されたことからワルの企みは綻びを見せ始める。桐山家に養われ麻紀と姉妹同様に過ごした小間使い・美保は大奥に潜入し自らを囮に滝乃たちの企みを暴き対決、大奥のお末たちも参戦したり。もちろん、彼女らの危機には正義の扇が飛んでくる。

ロケ地

  • 麻紀殺害の件で御広敷用人を召しだし下問の上様、嵐亭延命閣(弓のお稽古中)
  • 代参の滝乃の駕籠がゆく、仁和寺金堂前参道。これを窺っていて誰何され囲まれる美保、御所跡北塀通用門前〜御室桜林
  • 滝乃の罠にわざと落ちた美保が新さんに事情を話す、大覚寺大沢池堤(背後に碑映り込み)
  • 美保とめ組の衆が金を運んでゆく内神田永富町の図書屋敷、相国寺大光明寺(南路地、通用門。湯屋続きの塀、剥落が激しい)

*大奥へ麻紀殺害の件を糺しに行って「御台さまがいらっしゃらない大奥など」と返された上様、「余の一番痛いところを」とボヤくが、じいにも「早く御台さまを」。また、美保に麻紀殺害は上様がしっかりしてないからと批判されたり。その割にはラス立ち決め台詞は久々の「三つ葉葵の風が吹く」。
*飛鳥ひろし脚本なのでやはり入るどたばた、美保の意気に感じたお端下が大挙して助太刀に駆けつける。
*美保に杉田かおる、大奥総取締は鈴鹿景子。


第57話「嵐呼ぶよな島帰り!」 1992 

 神君の遠忌に格別のことはせず日光参拝も取りやめの上様、御成道の工事を当て込んでいた日光奉行大慌て。表向きは大工の子飼いのヤクザに捻じ込まれ、御府内の公共工事に割り込ませることに。ここで邪魔になる御用五人衆の元締を黙らせるのに、息子の旧悪を暴き立てる。これには、その息子の恋人の父で島帰りの侠客が罪を肩代わりしてやった秘密が隠されていて、人情劇となる。

ロケ地

  • 御赦免船が着く金杉橋、大覚寺大沢池北西畔に舟着きセット。侠客を迎えに来る娘が走ってくるのは放生池堤
  • 後段娘に大政の若棟梁を諦めろと告げるのは大覚寺大沢池北畔の夜泊石前。
  • 弓の稽古しながら上様が報告受けるのは大覚寺宸殿前白州
  • 日光奉行の指示で大政に斬りかかる道場主・戸田甚内、粟生光明寺石段上部。このシークエンスの直前に東寺のイメージカットが入る。アングルは南大門越しに塔、国道一号線の歩道橋から撮ったものか。

*日光奉行は山本昌平、子飼いのヤクザは曽根晴美で揃うと凶悪そのもの。加えて奉行の手下で用心棒の親玉の道場主は福ちゃん、今回扇を当てられる役まわり。お調子者の侠客は財津一郎、最後には「サミシーイ」もやる。女房役には佐野アツ子。


第58話「花婿新さん晴れ姿日本一!」 1992 20

 民のため阿波の藍製造の秘法を探る高遠藩領の庄屋・幸兵衛、五年も阿波に潜入し秘密をゲット、しかし追っ手かかり落命。秘伝を記した文書を託された高遠藩士・浅野清三郎は命からがら江戸屋敷に辿り着くが、江戸家老は秘伝をひったくるように取り上げ彼を牢に込めてしまう。その後藍大尽の桑野屋に自藩での藍製造をしないことで闇取引持ちかけ大金ゲットの江戸家老だが、上様に乗り込まれてオシマイ。
この浅野くん、ちょっと堅物で密命帯び阿波に赴く際に祝言間近の恋人に別れを告げ行っちゃったから、娘は入水しようとするわ、娘の母が祝言に出席するために出てくるのを誤魔化すために新さんが偽装の三々九度やらされるわでタイヘン。娘の母に「ムコ殿」扱いされ引っ張りまわされる新さん、何故か台詞回しがしがない婿養子の万年平同心ふう。それもその筈、母親のおとき役に白木万理なのであった。

ロケ地

  • 秘伝持って逃げる清三郎が追い詰められ落ちる阿波の断崖、保津峡落合落下岩
  • め組に保護された清三郎の許婚者・お妙がおさいに伴われ参拝の神社、今宮神社本殿
  • 祝言の芝居の話で田之倉のじいが騒ぐお城の庭、大覚寺宸殿前白州(宸殿のバックにお城の書割)
  • 高遠藩邸に家老訪ねカマかけた新さんが帰途イカ集団に襲われる、粟生光明寺紅葉道薬井門。
  • 箱根に逗留中の辰五郎、箱根の湯治場イメージに日吉山荘飛竜の滝も映る。
  • 庭番とツナギとっているところをおときに見つかり主水ふうに応対の新さん、今宮神社稲荷社付近。
  • 事後、まだ「ムコ殿」と呼ばわり新さんに駆け寄るおとき、今宮神社東門内石橋上。

第59話「情けに泣いた復讐鬼!」 1992 20

 つとめを終え島から帰った駿府の網蔵は娘・お品に会いに江戸へ出てくるが、辰五郎が隠して会えず。武家に嫁したお品を気遣ってのことだが、島送りにされたことで辰五郎を恨む網蔵はいきり立ち火除地の件でめ組が邪魔な丁子屋に抱きこまれてしまう。その丁子屋とグルの欠物奉行にお品の亭主が仕えているという、つごうのよい奇縁も。

ロケ地

  • 幸次郎が暇を出された件を庭番が報告、今宮神社合祀摂社前。
  • 臨終の網蔵が回想する駿府の八幡様の祭礼、今宮神社境内。
  • ラスト、庭でじいをからかう上様(お菓子の賄賂の件)嵐亭延命閣。

*網蔵に和崎俊哉、むさ苦しい島帰りのなりでベタベタ人情劇を熱演。丁子屋は長谷川弘、欠物奉行は外山高士。丁子屋の若い衆に福ちゃん、雇われ用心棒に目張りも派手な小峰さん。


→ 暴れん坊将軍 IV 表紙


★注意
 話数は時代劇専門chでの放送順に準拠しています。記事作成時にはスペシャル版を視聴できなかったので、話数が本放送とは異なります。私的資料をこのナンバーで作ってしまっているため、ここはこのままにします。全話リストは別に作りましたので、正しい話数についてはこちらをご参照下さい。


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